シロー君は真剣な顔をしていた。
私を励ましてるんじゃない。
樹里ちゃんのその気持ちを大切にしているんだ。
「シロー君は優しいし大人だね。同年代とは思えないよ」
私なんかより遥かに大人。
年上なのかもしれないけど、クラスメートや中学の友達よりも全然大人。
「俺、小さい頃から入退院繰り返してて。だから気持ちがわかるっていうか」
その言葉にドクリと胸が鳴った。
小さい頃から入退院……。
それを聞いてこの前宿題のことを聞いてしまった自分に嫌気が差した。
あの時言葉を濁してたのは、シロー君も学校に通えてなかったからなのかもしれない。



