「ごめん、さっきの樹里ちゃんとの会話聞こえたから」
「え……あ」
……聞かれて、たんだ。
かなり情けない。
「バカだよね、本当……何やってんだって感じ」
そんなことを言ってさらに自分を追い詰めなきゃ気が済まない。
樹里ちゃんには本当に悪いことをしちゃった。
「別にそこまで落ち込む必要ないよ。樹里ちゃんや他の子ども達もそうだけど“現実”見て前向きに生きてるわけだし。悪いと思ったら失礼じゃん」
「…………」
「子どもは素直で純粋だからさ」
「でも傷付けちゃったし、樹里ちゃんにあんな顔させちゃったことが情けないよ」
励ましてくれてるのに言い訳しか出来ない。
だってやっぱり落ち込んでしまう。
私が悪いもん。
「それでも樹里ちゃんは信じてるんだよ、いつか学校に通えるって。それを夢見て頑張ってるんだ。莉乃が悪いと思うってことは、樹里ちゃんのその夢が叶わないって言ってるのと同じだよ」



