ここは病院。 私の知る“現実”とは違う。 みんな病院の中の“現実”で生活してるんだ。 そんなことを今になって思い知った。 「ごめんね、樹里ちゃん」 「ううん!ここでも勉強教えてくれるから悲しくないよ」 樹里ちゃんはシュンとなった私を元気付けるように明るく笑った。 何やってんの、私……。 辛いはずの樹里ちゃんに励まされるなんて。 自分のバカさが恥ずかしかった。