クーラーが効いているからそこまで暑くはないけど、それでも日が差しているところは誰も座っていない。



「すっかり元気そうだけどもう治ったの?」



空いたイスに座りながら結城君が聞いて来る。



「まだだよ。点滴してしっかり治さなきゃダメなんだって」



だから退院まではもう少し時間がかかりそう。



ふと結城君の顔を見ると、ヒヤリとするくらい土色だったのでビックリした。



「だ、大丈夫?顔色悪いよ」



さっきまで笑っていたのに、急な変化に戸惑いを隠せない。