「結城君は進んでる?頭良さそうだもん、もう終わってたりするの?」
なんとなく元気がなくなってしまった結城君に明るく言った。
「俺は……別に。……ボチボチってとこかな」
言葉を濁しながら言ったその真意を知ることになるのは、まだもう少し先のこと。
「気になってたんだけど、なんで“シロー君”なの?」
聞き方が悪かったのか、私の声に結城君は首を傾げた。
「あだ名だよ。樹里ちゃんや他の子達がそう呼んでたから気になって」
「ああ、あだ名ね」
腑に落ちたのか結城君は納得してみせた。
「単純に自分の名前が嫌いだからってだけだよ。真白なんて女みたいだし」
「そう?綺麗な名前じゃん」



