もしかして


私が困るのを見越して連れ出してくれた?



頭一つ分背が高い結城君。



端正な横顔と綺麗な輪郭にドキドキする。



「あ、ちょっと待って」



席を陣取っていたことを思い出して、途中で荷物を取りに行った。



「宿題?」



手提げ袋にしまう冊子の束を見て結城君が聞いて来る。



いつの間にか手は離れていて“寂しいな”なんて思ってみたり。



「うん。全然進んでなくて」



「……へぇ」



意味深な言葉と寂しそうなその横顔。



何かありそうなのに深く聞くことが出来ない。