結城君はまだ笑っている。
だけど私の顔は真っ赤で、もう何も言い返せない。
だだ、だって!
今、可愛いって……!
そんなこと家族以外の男の子に初めて言われた。
結城君に言われるとなんだか特別なように感じて、いつまでもドキドキが治まらなかった。
「莉乃ちゃん顔真っ赤ー!」
「本当だ、あはは」
「ちち、違うよっ……!」
みんなにからかわれて更に真っ赤になる。
違うなんて言ったってバレバレ。
うー、いいもんね……!
「よし、じゃあ今日の本読みはこれで終わり!俺と莉乃ちゃんはここで退散!」
そう言った後、結城君は私の手を取って歩き出した。



