俺はただ、その場で立ち尽くしたまま涙を流し続けた。
もう止まらなかった。
莉乃は、悲劇を誰かのせいにするようなそんな子じゃない。
人の為に尽くして、人の為に泣いて。
いつも自分のことは後回しで、いつもいつもいつも、俺の為に……っ。
誰かの為に泣いていた。
こんな俺に『生きて欲しい』って。
こんな俺の『そばにいたい』って。
『絶対にドナーは見つかる』って、最後まで信じてくれた。
俺は莉乃の犠牲の上に生かされた存在。
そんな事実に、胸が張り裂けそうでどうにかなってしまいそうだった。
苦しむ俺を見て辛かったはずなのに、決して笑顔を絶やさなかったキミ。
キミは強くて優しい、そんな子だった。
「莉乃……っごめん」
そして。
「……っあり、がとう」
好きだった。
そんなところが、たまらなく大好きだった。
これからも、ずっと忘れられない。
大好きだ。
「り、の……っ」
涙でボヤける目で、しっかりと墓石を見つめる。
照れた顔、笑った顔、悲しそうな顔、ムリに笑う姿が脳裏に蘇る。



