汗なのか、涙なのかわからない雫が頬を伝う。
それは地面にポタッと落ちて、アスファルトの上にシミを作った。
昼間の熱気を残したまま、果てしなく広がるオレンジ色の空。
涙が滲んで、目の前がボヤける。
頭に浮かぶのは、大好きだった莉乃の笑顔。
俺の為を想って泣く姿。
キミは誰よりも優しくて、辛くても笑顔を見せるような、心の強い人だった。
確証や保証は一切ない。
もしかすると、実際は違うのかもしれない。
だけど、腎臓は血流が途絶える前から処置を施さないと、細胞がダメになって、移植してもその機能が正常に働かないことがある。
繊細な臓器なのだ。
処置は死んでからではなく、血流が途絶える直前から。
つまり、心臓が止まる前から行うことが望ましい。
家族がそれを決断するとなると中々難しく、現状では死後に行われることが多かった。
ただそうなった場合、保存の関係上、ドナーの臓器は早急に移植する必要がある。
リミットは2〜3時間。



