「みんな、この人はお友達の莉乃ちゃんだよ」
にっこり笑いながら、そこにいた小学生の子ども達に私を紹介する結城君。
「ほら、挨拶して」
えっ?
あ、挨拶!?
いきなり無茶ぶりを……。
「あ、えっと。秋月莉乃です。シロー君のお友達です。よろしくね」
いきなり振られてかなり普通のことしか言えなかった。
「彼氏いるんですかー?」
さっきとは違うニット帽を被った男の子が行儀良く手を上げて私に質問して来た。
なんだか自己紹介の後の質問コーナーみたいになっちゃってる。
「か、彼氏……?」
最近の小学生はませているというけど、しょっぱなから彼氏の質問か。



