「保、ごめん……っ。しばらく、1人になりたい」
頭も心も、混乱しすぎてぐちゃぐちゃで。
だから、しばらく1人になりたかった。
「車ん中で待ってるから、落ち着いたら戻って来いよ……?何時間でも、待ってるから」
「ああ……悪いな」
少し心配そうな顔をしながらも、保は俺の言葉を聞き入れてくれた。
保がいなくなった後、どうしようもない悲しみが溢れて止まらなくなった。
思い出すのは、大好きだった莉乃の笑顔。
抱き締めた時の感覚が、今も腕に焼き付いて残っている。
もう二度と触れることの出来ない莉乃が、恋しくて恋しくてたまらない。
胸が痛くて、苦しくて。
莉乃……逢いたい。
俺も、そっちに行きたい。
莉乃のいない世界で、この先どうやって生きて行けばいいのかわからない。
キミが……キミだけが、俺の心の拠り所だったのに。



