痛かったよな?
苦しかったよな?
その瞬間、莉乃は何を思った?
想像を絶するほどの苦しみを味わったに違いない。
それを思うと、この10年間が死ぬほど悔やまれてならない。
「……っ」
涙はとめどなく溢れて、どうやっても止めることが出来なかった。
恋い焦がれたキミ。
大好きだったキミ。
そんなキミが、もう二度と逢えない場所に行ってしまったなんて。
「シロ……」
ポンッと優しく肩を叩かれた。
泣いているのか、保の声も鼻声だった。
「思いっきり……っ泣けよ。今まで黙ってて、本当にごめん……っ」
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