あ、結城君のこと……?
真白だからシロー君?
シロー君……。
私の名前、覚えててくれたんだ?
名前くらいでと思うだろうけど、そのことが飛び上がるくらい嬉しかった。
自然と頬が緩む。
はたから見たら気持ち悪がられるだろうけど、彼の中に少しでも私の存在があったことがただ単純に嬉しかった。
まだ出逢って間もないのに、こんな気持ちになるって不思議。
よく知りもしない人なのに。
だけどなぜか惹かれる。
目が離せない。
自然と目が追ってしまう。
「シロー君がこっちにおいでって言ってたよ」
「ほ、本当?」
だってさっき思いっきり目をそらされた……。
何気なく結城君の方を見ると、また思いっきり目が合ってドキドキした。
顔に熱が帯びていく。



