また、キミに逢えたなら。



一度地元を離れた保とは、本当に久しぶりの再会だった。



俺が小児科医で、保は脳外科医。



小児科を選んだのは、物心つく前から、病気で辛い思いをして来たからっていう単純な理由。


だからこそ、誰よりも子ども達の気持ちがわかる。


助けてあげたいっていう気持ちが大きくなる。


時には辛いこともあるけど、俺は医者というこの仕事に誇りを持っていた。



だからこそ毎日目が回るほど忙しくても、それが苦だとは思わない。



莉乃との思い出がありすぎるこの病院。



どれだけ忙しい中でも、ふとした瞬間に莉乃のことが頭をよぎる。



この病院に決めたのも、遠い昔に莉乃が『ここで2人で働こう』と言っていたから。


もしかすると、夢を叶えて看護師になった莉乃がいるかもしれないと思ったからだった。


莉乃に逢いたい。

この病院に来てからというもの、日に日にそんな想いが強くなっていった。


もう、待つのも限界だった。



「でさ、今度看護師さん達と合コンあんだけど、シロも行くだろ?」



満面の笑みを浮かべた保は、俺の肩に手を回しながら言う。



「俺はいいよ」



その手を交わしながらにっこり笑う。