懐かしくて優しいその雰囲気も、全部が全部俺の知っている莉乃のもの。



莉乃……。


やっと


やっと逢えた。



“莉乃”



信じられない気持ちでいっぱいで顔が綻ぶ。



“どうしたの?シロー君”



そばにあった莉乃の手をギュッと握って、その華奢な肩を抱き寄せた。



“ずっと、伝えたかったことがあるんだ”



温かくて懐かしい莉乃の感触。


肩を抱く手に力が入る。


ドキドキと胸がうるさい。



“本当?へへ、私もだよ!”



ニッコリ笑った莉乃のその顔は、照れているようにも見えてたまらなく可愛い。



俺だけのものにしたい。


もう絶対に離したくない。



“今回は俺から言うよ”



もう後悔はしたくないんだ。


だからはっきり伝える。