「うー……ひっく……っ」
満天の星空の下、とめどなく溢れる涙をどうすることも出来ずに必死に漕いだ。
11月後半だというのに寒いという感覚はなくて、むしろ額にはじんわりと汗が浮かんでいる。
シロー君……っ
早く早く早く
シロー君の元へ────。
早く逢って
伝えたいことがある。
乱れる呼吸に肩で息をする。
そして堂堀坂を一気に下って、カーブに差し掛かった。
その先に見える信号は青。
だけど運が悪いことに点滅し始めた。
夜だから車が来たらライトですぐにわかるけど、見渡す限りでは車の気配は感じられない。
普段の私なら信号無視なんて絶対しないけど、この時ばかりはそうも言ってられなかった。



