「ごめんな、あいつらうるさくて」



呆れたように笑いながら、優しい眼差しで私の顔を覗き込む神崎君。



「あ、ううん。大丈夫だよ」



「屋上行こっか」



神崎君の言葉にコクリと頷いた。



お互い無言のまま階段を登って屋上に着いた。



緊迫した空気が漂う中、最初に口を開いたのは私。



「ごめんなさい」



そう言って深く深く頭を下げた。



「好きな人がいて……その人のことが大切だから神崎君とは付き合えません。本当にごめんなさい」



胸が苦しい。


断る方もこんなに苦しいだなんて知らなかった。