人の命と密に接する看護師という職業。
「私もさ今でもやっぱり辛いんだ、患者さんが亡くなるのは。慣れるもんじゃないよ、これは」
寂しそうに笑う宮下さんの顔を見て、これまでに色んなことがあったんだろうなと思った。
「もっと何か出来ることがあったんじゃないかって後悔ばっかりで、出来なかった部分にばっかり目が向くんだよね、そういう時って」
今の私はまさしくその通り。
「もっともっともっと、その人の為に何かしてあげたかったっていつも思うんだけど」
宮下さんはそのまま言葉を続ける。
「でもね、患者さんはそんなことを望んでないの」
「何かをしてあげたいって思う気持ちは、こっちの勝手な思い上がりでただのエゴなんだよね」
そこまで言ってから、宮下さんは腕時計に目をやった。
「やば、もう行かなきゃ!じゃあね」
返事をする間もなく宮下さんはこの場を去った。



