「ま、待って下さいっ……!」 棺の扉が閉められようとしたその瞬間、辺りに私の声が響いた。 そこにいた喪服姿の人が、一斉に私の方を見て何事かと眉をひそめる。 ほとんどの人がハンカチを目に当てて、悲しみに打ちひしがれているようだった。 ここにいる人達は、樹里ちゃんを失った痛みを分かち合う者同士。 「いきなりすみません!でも……っ、どうしても渡したい物があって」 途中でまた涙が溢れた。 樹里ちゃん……。 本当は私 今でも信じられないんだよ。