ガタッ



気になって気になって仕方なかった私は、勢い良く椅子から立ち上がった。



「すみません、気分が悪いので保健室に行って来ます!」



大きな音を立てた私にみんなが注目する。


ざわつく中スマホを握り締めて慌てて教室を出た。




「はぁはぁ」



そのまま廊下を走り抜けて階段の踊り場まで来た私は、乱れた息を整えながらもう一度スマホを目にした。



着信は切れたけどドキドキだけは止まらなくて、胸を押さえながら画面を凝視する。



ゴクリと息を呑んだ。



かけ直した方がいいのはわかってる。



緊張と不安から迷いが生じて、中々ボタンを押すことが出来ない。



弱くてダメな自分。


こんなんじゃダメじゃん。



そう思ってボタンを押そうとした瞬間



着信

シロー君



画面に映った文字。