なぜだかわからないけどドキドキした。


神崎君を好きなわけじゃないのに、気持ちをぶつけられて嬉しいと感じた。



まだ戸惑いの方が大きかったけど、ウソや冗談なんかじゃないってことが伝わって来た。



「付き合ってる奴がいないんなら」



ドキドキ


ドキドキ



緊張から拳をギュッと握る。


いつの間にかプリントを取る手も止まっていた。



「俺の彼女になって下さい!」



真剣な声に鼓動が大きく跳ねた。



“彼女”


神崎君の……。



ドッドッドッドッと


鼓動が脈打つのがわかる。



私が好きなのはシロー君。


なのに


なんでこんなにドキドキするの?



それと同時に苦しさが込み上げて来る。