一歩後ずさった私に、神崎君がまた笑ったのが雰囲気でわかった。
「俺、そんなにチャラそうに見える?」
「…………」
図星だから返事が出来ない。
だいたい、見た目からしてそうだからね。
「でも、好きになった子には一途だし」
沈黙を肯定と捉えたらしい。
返事をしない私に神崎君が続けた。
「なんで私なの?」
今まで話したこともないのに。
「一目惚れっつーの?入学式で見た瞬間“この子だ!”ってビビッと来てさ。一目見て惹かれたんだ」
「そっからはガラにもなく片想いっつーの?とにかく存在に気付いて欲しくて秋月のクラスのダチんとこ行くフリしてずっと見てた」
ガラにもなく真面目に答えてくれたから、ちょっとビックリした。



