……ありがとう。
ごめんね。
心配してくれてるのに。
「用事あるの忘れてた。ごめん、また明日ね。今日はありがとう」
そう言って慌ててカバンを手に教室を出た。
掃除が終わってから結構経っちゃってる。
もう来てるかな?
そんなことを思いながら空き教室まで急いだ。
ガラッ
ドアを開けて中を見回す。
神崎君は先に来ていたけど机に突っ伏していた。
「ね、寝てる……?」
スースーと規則正しく聞こえる寝息。
近寄って覗き込むと、なんとも気持ち良さそうな寝顔が見えた。
プリントの束に目をやると、さっきよりも大分減っていて。
神崎君が寝ている机の横には、完成した冊子がたくさんあった。
一人で頑張ってくれたんだ。
起こさないようにそーっと移動して残りに取り掛かった。



