だけどもう
今の私には、愛想笑いを浮かべる余力さえ残されていない。
この切なさと
やるせなさと
胸の痛みと
虚無感を
どうすればいいのかわからない。
「ううっ……るりぃ、わ、わたしっ……もうっ、わかんないよ……っ」
「それで幸せになれるんならっ、神崎君と……付き合えって……っ」
涙がポタポタ机を濡らしていく。
「苦しいよ……っ。好きなのに……わたしはっ、シロー君がっ、好き、なのにっ……」
苦しくて苦しくて限界だった。
あれだけ泣いたのにどんどん溢れて来る涙。
「莉乃……」
瑠璃の声が聞こえた瞬間、フワリと優しい香りに包まれた。



