「シ……っ」 「ごめん」 ズキン ズキン ズキン 私の声をかき消したのは、残酷なくらい冷静なシロー君の声。 “ごめん” その言葉が頭の中でリピートする。 何に対しての言葉なのかを確かめることが出来ない。 「もうすぐ親が来るから」 溢れる涙をグッと呑み込む。 零れないように顔の筋肉に力を入れて歯を食いしばる。 少しでも気を抜くと、とめどなく涙が零れそうだった。