「また来てるよ、神崎君」 ミウがコソッと耳打ちして来る。 私はそれに気付かないフリをして机に突っ伏した。 あの日強く拒んだにも関わらず、神崎君は毎日のようにうちのクラスにやって来ては私に絡む。 「秋月ー、俺と付き合ってよ」 頭上で声がしたけど、聞こえないフリをしてやり過ごす。 もう本当、いい加減に勘弁してほしい。 目をギュッと閉じて現実から頭をシャットアウトする。 「秋月ー、シカトすんなって」 「おい」 何を言われてもムシムシ。