わからないけど、なぜかものすごく気になる。
ドキドキも治まらない。
胸の高鳴りがより一層激しさを増す。
目が合った瞬間から
なんだか変だ、私。
放っておけばいいものを……そう出来ないのが私、秋月莉乃なのです。
友達にもよく“お節介”だの“世話焼き莉乃”だのと言われてからかわれる。
「あなたは寝ないの?」
また引き返して彼の隣に立った。
わ。
よく見るとまつ毛長っ。
日焼けしていない肌は真っ白で、なんだか儚げに見えた。
「ここ最近よく眠れないんだ」
透き通るような澄んだ声。
まとうオーラや雰囲気も彼の周りだけ澄んでいるように思える。
さらさらの髪がクーラーの風で揺れた。
「そうなんだ。実は私も昼間に寝過ぎちゃって眠れないんだよね」
さっき買ったミネラルウォーターのフタを開けて一口飲んだ。