そ、そういえば。
神崎君が私に一目惚れしたって瑠璃が言ってたような……。
今になってそれを思い出した。
や、やだ。
かなり注目されてる。
みんなが私を……
ううん、神崎君を見ていた。
「えっと……あの、なに?」
その雰囲気と威圧感に圧倒されて思わず後ずさる。
「ぷ、そんなに警戒しなくても。ちょっと話せない?」
“ここじゃあ、アレだから”
周りを見回しながら、神崎君はそう続けた。
「ほ、ほら!行きなよ、莉乃」
ミウが固まる私の背中を押す。
ど、どうしよう……。
不安になって瑠璃の方を見ると、“行け”というように瑠璃も頷いて見せた。



