「ま、わかんないか。それが普通だと思うよ」 「は、はぁ」 まったくもってその通り。 さっぱりわからない。 あんまり関わらないようにしよう。 猛烈に喉が渇いていたことを思い出して、握り締めていた千円札を自販機に投入。 なんだか今は普通の水が飲みたくてミネラルウォーターを買った。 「あ、えっと。おやすみなさい」 何も言わずに戻るのもどうかと思って、未だに景色を見下ろす背中にそう言った。