整ったその横顔は薄暗い中でも十分に魅力を感じさせる。



どこか寂しそうで悲しげで。


何かを諦めてしまったかのような色のない瞳。


顔が整っているだけにヒヤッとさせられる。



「どうして私にそんなこと聞くの?」



無言のまま返事をしない彼の横顔に質問を繰り返す。



彼は一度も私の方を見ることなく窓の外を眺めていた。



「別に、ただふと思っただけで深い意味はないよ。夜の闇に同化して消えたいとはいつも思うけど」



「よ、夜の闇に消えたい?」



……変な人。


何言ってるかさっぱりわからないよ。