ふふっ。
あは。
嬉しい……。
ものすごく。
また、逢えるんだ。
退院した日の夜。
食卓には、これでもかってほどのお母さんの手料理が並んでいた。
いい匂いが鼻先をかすめて、お腹が鳴りそう。
「お、今日はご馳走だな」
お風呂から上がったお父さんがやって来て、嬉しそうに笑う。
そして、缶ビール片手に私の目の前に座った。
「お母さん、張り切って作り過ぎだから」
「嬉しいんだろ。莉乃が帰って来て」
右隣に座るお兄ちゃんが私の顔を見て微笑む。
「えー、違うでしょ。お兄ちゃんと美緒さんが来てるからじゃない?」
「あら、今日は莉乃ちゃんの退院祝いで招いて頂いたのよ」
左隣に座る美緒さんがにっこり微笑む。



