そして、気をきかせてロビーで待っててくれたお母さんの前で足を止めた。
「莉乃のお友達?」
パアッと明るい笑顔を見せるお母さん。
「はい、結城真白って言います。莉乃さんには本当に助けられました」
「あらあら、本当?逆にみなさんに迷惑をかけたんじゃないかしら」
お母さんはそんなことを言いながら、意味深に私の顔を見てにっこり笑う。
「も、もう!お母さん!」
みんなの前で変なこと言わないでよ!
「はいはい。あ、わざわざありがとうね」
クスクス笑いながら、お母さんはシロー君の手からカバンを受け取った。
メニュー