柱の影からヌッと現れたその人から目が離せない。


いきなり何を言うんだろう。



「ここから落ちたら死ねるかって聞いてるんだけど」



「え、えっ……と」



よく


意味がわかりませんが。



目をパチクリさせていると、その人は私の隣に立って同じように夜景を見下ろした。



同い年ぐらいかな……?



夏だというのに長袖を着たその男の子の横顔は、なんだかとても悲しげで。


深い闇を背負っているような、暗い影があるように思えた。



「し、死ねるかって……?」