エレベーターで下に降りている途中、シロー君のことが頭をよぎった。 やっぱり逢えないよね、今日は。 最後に逢いたいけど、お母さんもいるし。 なんて言えばいいのか……。 エレベーターが1階に着いてドアが開く。 「せーの!」 その瞬間そんな声が聞こえて、顔を上げた私は目の前の光景にビックリして言葉を失った。 「「「莉乃ちゃん、退院おめでとう!」」」 エレベーターを降りたすぐそこに、数人の子ども達とシロー君の姿があった。