「ゲホッ、ゴホッ」 全身が熱くて気だるい。 指をピクリと動かすのも億劫なくらい辛いなんて生まれて初めて。 こんなことになるなら、お母さんの言う通りもっと早く病院に行ってれば良かった。 後悔なんとかっていう言葉があるけど、本当にその通りだよ。 熱にうかされて目を開けていることもままならず、ぐったりとベッドに横になったまま動けない。 「今は辛いだろうけど、抗生剤の点滴を打ってればすぐ楽になるからね」 ぼんやりする頭に、優しい看護師さんの声が聞こえて来た。 だけど返事をすることが出来ない。