そう怒鳴り散らした美帆に、あたしは身を縮めるように正座をした。


確かにあたしが4キロの道のり経てスーパーに通い、声を掛けてもらうようになり、奇跡的に今日の出来事にまでに至ったことは本当に涙ぐましい努力だと思う。


そこまでしたのには、たった一つの目的"南君のお母さんと仲良くなる"その為。


あくまでもターゲットは南君なのだから“佐藤 奈々”が出なければ何の得にもならない……


「だけどさ、いざお母さんを目の前にしたら本当のこと言うのが怖くなっちゃったんだもん」

『だからって偽名はないでしょう!?奈々じゃなきゃ意味ないのよ?お母さんから奈々の会話が出て南も気になりだして……

って、もう!!自分からその最大のチャンス潰してどうすんのよ!!せっかくここまでこぎ着けたのに!!』