南くんの秘密。




お母さんがソファの脇を指す。

視線をずらすと、そこには既に仕分けられた野菜が袋に入って置いてあった。


玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジン。

カレーにぴったりの材料だ。


「こんなに沢山…本当にいいんですか?」

「いいのよ…。たまにこうして袋詰めで買いすぎて食べきれなくて腐らせちゃうこともあるのよ」


そう言ってペロッと舌を出したお母さんがとても可愛い。

思わずあたしも頬が緩んだ。


ここにきてから緊張しっぱなしだったあたしが、初めて素に戻った瞬間だったかも。


それに自分を偽ったことで、心苦しいながらも肩の力を抜いて会話が出来そうだ…なんて思って。