「じゃあ、ちょっとだけ……」
その言葉に甘えてあたしは緊張しながらも靴を脱いだ。
リビングも突然の来客にも全然対応出来る程、塵埃1つ落ちておらず、掃除が行き届いていた。
清潔感あふれる南君のイメージにぴったりのお家。
この家でお母さんと毎日2人……
借りてきた猫の様に、膝に両手を揃えてソファにお尻を半分ちょこんと乗せながら部屋の中をぐるっと見渡した。
あ……。
あたしの目が留まったのは、ローボードの上に沢山飾られたトロフィーや賞状の数々。
そのどれもに“南 蒼斗”と刻印がされており、それは南君が陸上で収めてきた成果の賜物だということが分かる。



