やっぱ居ないよね… 湧いた期待がしぼむ気持ちと、それでもどこかでホッとしたような……複雑な想いが一気に駆け巡った。 「はい……お邪魔します」 夢にまで見た南君の家。 この敷居を跨ぐ日が訪れるなんて。 ドキドキしながら足を踏み入れる。 まずあたしを出迎えてくれたのは、微かに鼻を掠めるフローラルのいい匂い。 玄関を入るとすぐ脇には大きな水槽があり、ネオンテトラが優雅に泳いでいた。 その脇には、センス良く飾られたお花と、可愛らしいクマの人形が“Welcom”の札を持っていた。