それからあたしはあのスーパーに通った。

まずは顔を覚えてもらおう。


そう思って、自宅から4キロも離れた"フレッシュマート"まで自転車を走らせた。


一旦家に帰って私服に着替えて。


南君のお母さんは、制服を見ればきっと息子と同じ高校の生徒だと気づくはず。



そんなあたしがしょっちゅうお母さんのレジの前に現れたら、ちょっと怪しいかな…って。


それを抜きでまずは"あたし"という存在を知ってもらおうと。


…これ、全部美帆の受け売りなんだけどね。