「あーこれは、ライバルが桜子ちゃんよりきついわ~」

「ふふふ。意外な展開になってきたね。面白い」

「面白くないっ!」


あたしは横に置いてあったクッションを掴み、そんな無責任なことを言う美帆に向かって投げる。


『おっと』…そう言いながら、上手にクッションをキャッチした美帆は、それを胸に抱えた。



放課後。

すっかり気落ちしたあたしを慰めてあげる…と美帆は家にあたしを招いてくれた。

近くのコンビニで大量にお菓子を買ってくれて。


「こんな子供染みた慰め方されても嬉しくないんですけどー」

「ていう割にはバクバク食べてない?」

「だって、美味しいものは美味しいから」


こうなったらヤケ食いだ。

あたしは次から次へと袋を破き、手当たり次第に口の中へ放りこんで行った。