南くんの秘密。




ゴクリ。

あたしは唾を飲む。


「あのさ、」


まさかこれが愛の告白のシチュエーションじゃないことくらい分かる。

でも、無駄に緊張しちゃう。


だって……あんな話を聞いた矢先…


「佐藤って、"F・スプラッシュ"が好きだって言ってたよな」

「あ、うん」


けれどあまりにも意外な会話内容に、あたしは一気に冷静になった。


"F・スプラッシュ"というのは、あたしの好きなアーティストでまだ知名度も少ない、ライブハウスで活動している様な駆け出しのバンド。


「CDとかって持ってんの?」

「持ってるよ、っていうか、よくそんなバンドのこと覚えてたね」