目を開けると、群衆は更に膨れ上がっていた。 多分…後ろに南君はいる。 だからあたしの気持ちは確実に伝わっちゃったわけで…… しかも南君の気持ちを代弁するようにタンカを切っちゃって…ますます合わす顔ないよ。 「佐藤……」 しん…と静まり返った背後から、聞こえてきた声。 どこかためらいを含んだその声にあたしの肩はビクッと上がった。 …振り向けない。 出来ればこのまま逃げ去りたい――っ。