今日も君に翻弄される。

「とっ、わ……!?」


つま先立ちまで繰り出していたので、足元は不安定なうえに、チョコばかり追っていて、注意が散漫だったものだから。


「わああああ!?」


わたしはこけた。


ドテッと不恰好に倒れかけ、


「…………何を、してるの」


真ん前にいた和泉くんが支えてくれる。


そうだ、近いんだった。


全然意識してなかったけど、すごーく近いんだったよ……!


「いいい和泉くんごめん、ありがと、……っ!?」

「はい口開けて」


離れようと思った、のに。


あいた左手でわたしの右手を掴んだ和泉くんが、手を引いて離してくれない。


支えてくれたと思ってたのは、逃げないように捕まえた、が正しかったらしい。


さっきまで渡さないとか言ってたくせにこの態度、さては和泉くん、わたしをからかってたんだね……!


「いっ、いいよ……!」