今日も君に翻弄される。

「今日はせっかくお家デ、」

「…………」

「デー……えー、えっと、和泉くんのお家にいるんだから、お出かけのことは帰りに考えたい」


危ない危ない、お家デートって言っちゃうところだった。


えーえーと無理矢理繋げて少々強引に軌道修正すると、和泉くんが小さく相づちを打った。


「……ふーん」


そう。


なんて、気のない返しに聞こえるけど、実は結構上機嫌だ。


微妙に声が弾んでいる。


「和泉くんさえよかったら、今週の土曜日出かけようよ」

「うん」

「でも今日は、人混みより二人でまったりしたいな、なんて」


そろりそろりと伺うと、和泉くんはあっさり頷いた。


「分かった」


よかった……。


安堵していたら、和泉くんがさっきのわたしの発言を反芻。


何を思ったか、意地悪に笑った。