今日も君に翻弄される。

原因は明白。


細めの黒い窓枠で囲まれた大きな窓から、カーテン越しに日光が差し込んだから。


ずっと雲っていた空模様が、どうやら晴れに変わったようなのです。


気分も明るくなるし、特別な感じがするし、いいことだ。


独特の世界観を有していて、綺麗で、ほんの少し雨と緑の匂いが空気に染みわたる、雨上がりの景色は好き。


外を眺めたくてうずうずしていたら、さりげなく立ち上がった和泉くんがカーテンを引いてくれた。


透ける水色の布地を止めるのを手伝って、より光を入れれば。


繊細なレースからこぼれるきらめきがとても幻想的で、わくわくする。


「晴れたね!」

「うん」


勉強をしよう、なんて急かす気はないのか、和泉くんも窓際でのんびり目をすがめている。