今日も君に翻弄される。

「すごいね和泉くん!」


わたしの部屋とは段違いすぎて、何だかもうそれしか言えない。


わたしのボキャブラリー貧困んんん……。


嘆息しつつ、部屋全体をぐるりと見渡す。


どこに座ればいいのかと鞄を持ったままで立っていると、和泉くんが何やら抱えている。


「ちょっと待って」


L字型に並ぶベッドとタンスの中央。


置いてあった勉強机らしきものを奥に寄せて、がしょがしょ、別のテーブルを持ってきてくれた。


折り畳み式で、椅子に座らない、持ち運びの優位性に特化したタイプ。


途中から駆け寄って支え、一緒に開いて設置を手伝った。


「よし!」

「できた」


仮設した半透明の丸卓に、向かい合って足を崩す。


申し訳程度だけど、一応荷物を床に広げていると、唐突に部屋が一気に明るくなった。