今日も君に翻弄される。

……うわ。


口を手で覆って、漏れそうになった声を押さえる。


おおげさでも何でも、別に構わない。


何かで押さえておかないと、大声で叫んでしまいそうだった。


「(すごい、すごいよ。目の保養だ、おしゃれだー!)」


天井に鎮座する小ぶりのシャンデリアが明るく全体を照らしている。


シャンデリアな時点ですごすぎると思うんだけど、注意を引くのはその意匠だ。


けばけばしくなくて上品で、よく作り込まれた、それ。


細くシンプルな木製のアイアンフレームは緩く円を描いて、その先のガラスシェードは眩くて。


この部屋、旅館に似てるのに家庭的で、こう、何て言えばいいのだろうか。


綺麗すぎないくらいに、そこはかとなく生活感が覗いているから過ごしやすいというか。


うーんと、そう、安眠の効能が高そうなんだ。