今日も君に翻弄される。

今、和泉くんの学校でたまたま、そういういたずらをしかけるのが流行っているらしく。


ふと思い出して、軽い気持ちでやってみたら。


「和泉くんがくれるものは美味しいものだ、と認識してるわたしが、普通に食べちゃった、と」

「まさか、確認もしないで食べるとは思わなくて……」

「ごめん」

「いや、僕こそごめん」


眉を下げる和泉くんにこれ以上を言うのは大変心苦しいんだけど、わたしも結構限界なので、心を鬼にして聞く。


「ごめん和泉くん、これ、捨ててもいい?」


もらいものを捨てられない、と、判断した結果。


実はやせ我慢して、凶器の飴が今だ口の中なのだ。


「うん、いいよ、勿論」


すぐさま頷いた和泉くんが、何か考えを巡らせて。


「じゃあ、責任持って僕が食べようか」


それで少しは罰ゲーム代わりになるかな。


「え?」


和泉くん、あの、なんだか顔が近――


「っ」


繋いでいた手を手繰り寄せた和泉くんに、頭を支えられて、少し上向かせられ。


目を見開いて固まるわたしの視界いっぱいに、伏せ目がちな和泉くんが映る。


考える間もなく、和泉くんが飴をさらった。


カラン、と。

軽い音が、二人の間で小さく鳴る。


おしまいには、少々意地悪なリップ音。


「……本当だ、辛い」