「今月に入ってから、誕生日のプレゼントは何がいいか、随分考えてた」
「っ」
膨張した照れと熱と暴走するときめきに当てられて、店内が急激に暑くなった。
真面目さが倍増した瞳に見つめられ、雰囲気に負けて身じろぎをする。
わたしの様子の変化にはとっくに気がついているはずなのに、和泉くんは発言を止めてはくれない。
「葵は消えものの方が喜ぶかなって思ったんだけど、違った?」
大丈夫、違わないよ。
そう、言おうと試みたけど。上手く口が回らなくて、無言のまま頷いた。
必死に首を振るわたしを認めた和泉くんは、取り繕ったようなひどく硬い真面目な表情と声音に、その耳が赤いのを隠して、優雅にカップを持ち上げる。
「食べようか」
促した和泉くんが綺麗な手さばきで口をつけたのをどこか呆然と認識し、慌ててわたしもならってカップを口に運んだ。
「っ」
膨張した照れと熱と暴走するときめきに当てられて、店内が急激に暑くなった。
真面目さが倍増した瞳に見つめられ、雰囲気に負けて身じろぎをする。
わたしの様子の変化にはとっくに気がついているはずなのに、和泉くんは発言を止めてはくれない。
「葵は消えものの方が喜ぶかなって思ったんだけど、違った?」
大丈夫、違わないよ。
そう、言おうと試みたけど。上手く口が回らなくて、無言のまま頷いた。
必死に首を振るわたしを認めた和泉くんは、取り繕ったようなひどく硬い真面目な表情と声音に、その耳が赤いのを隠して、優雅にカップを持ち上げる。
「食べようか」
促した和泉くんが綺麗な手さばきで口をつけたのをどこか呆然と認識し、慌ててわたしもならってカップを口に運んだ。


